本日、読了。

小杉健治では9冊目。
<あらすじ> 現金輸送車が襲撃された。
犯人に『立花じゃないか』と名前を呼ばれたことから
当然、疑いをかけられた運転手の立花文彦は、潔白を
主張した。
彼は、急に病欠した同僚に代って運転手を務め、襲撃
されたのだった。
度重なる取調べと周囲の冷たい目に耐え切れず、
彼は独力で真犯人を追うが、そのまま失踪してしまう。
夫を信じる妻・伊津子もまた、孤独な戦いを挑むことに
なり、同じ日にもう一つの事件が起きていたことを知る。
疑惑
<感想> 主人公は33歳のバツイチ新米女性弁護士・結城静代で一応、法廷モノのジャンルに分けられるようですが、丁々発止のやり取りは殆どありません。しかし、自分が担当した事件が実は別の大きな事件のアリバイ作りのために利用されてしまう屈辱の法廷になってしまいます。
現金輸送車の犯人が運転手に言った『立花じゃないか』
これを文字だけの小説だとどのように解釈するか『おぉ、立花じゃないか、久しぶり!』なのか『立花じゃないか!何でコイツがココにいるんだ!』の微妙なニュアンスの違いをもっと議論するのかと期待したのですが、結構あっさりと濡れ衣のための仲間だと思わせるためということで終了。
ミステリー小説でありながらも、
◆バツイチの女性弁護士は別れた検事の夫が忘れられないけど、知り合いの子持ち弁護士にプロポーズされて、しかもそれが前夫の愛情からの策略であったり
◆濡れ衣のままの夫が殺された未亡人は、夫が実は結婚する前に婚約していて、その婚約者が彼の兄と不倫関係にあって心中していたのを知ることになったり
◆看守の妻として精神的に追い込まれた彼女は、元彼が夫の刑務所に収監されて、官舎で偶然出会ってしまい、出所後に一緒に蒸発したり
◆彼が襲撃犯とは知らずに付き合っている女性は、その彼を殺したヤクザとも付き合ったり
と多くの波乱万丈すぎる人生の女性たちの間を縫うように起きた事件でした。
【小杉健治 読了リスト】
原島弁護士の愛と悲しみ
二重裁判
死者の威嚇
絆
土俵を走る殺意
夏井冬子の先端犯罪 裁かれる判事 東京‐岐阜Σ(シグマ)0秒の罠
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