本日、読了。

小杉健治では8冊目。
<あらすじ> 詐欺商法でのし上がった悪徳会社「シルクハウス」の会長・碓井宗晴が
絞殺された。碓井と対立する同社専務・工藤博幸を捜査陣はマークし、
殺人の動機をつかんだ。
が、工藤には鉄壁のアリバイがあった!
有罪を信じる沢月刑事は執念の末アリバイを破り、工藤を逮捕し、
事件の舞台は法廷に…。さらに公判中、工藤は愛人・篠原紀絵の意外な
証言で窮地に追い込まれる。
若き美人弁護士・槙村ゆり子は工藤の無実を証明するため、検察側と
真っ向から対決するが…。
アリバイ崩しと緊迫の法廷シーンを見事に融合させ二転三転と息づまる
展開のなかに秘められた真実とは?
東京‐岐阜Σ(シグマ)0秒の罠
<感想> 日本の裁判は証拠裁判主義で『事実の認定は証拠による』が基本精神になっています。
つまり、証拠があるから誰々は容疑者となり得る、ということです。
しかし、この事件は殺された会長と対立する専務の工藤が怪しい、でも鉄壁のアリバイがある。それでも刑事の経験と勘からやっぱり怪しい、となり彼に似た人を見た、彼の筆跡に似ている、こうやればアリバイは崩れるはずと都合のいいように組み立てていくと証拠がないけど犯人になってしまうんです・・・あぁ怖い!
前半はアリバイを崩そうとする刑事の執念(でも悪徳刑事じゃないです)で展開され、てっきり工藤が犯人なんだぁって思ってたら、後半の裁判で弁護士の槙村ゆり子が証拠不十分つまり『事実の認定は証拠による』を徹底的に突いていく やりとり は面白いです。
一審で無罪にはなりますが、その後もう一捻りあって、最後の最後でようやく真実にたどり着くことができる作品になっています。
【小杉健治 読了リスト】
原島弁護士の愛と悲しみ
二重裁判
死者の威嚇
絆
土俵を走る殺意
夏井冬子の先端犯罪 裁かれる判事
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