本日、読了。

柄刀一では4冊目。
天地龍之介シリーズ では1作目。
<あらすじ> 「10円玉を持っていないか」という不思議な言葉を残しクラブ経営者が撲殺された。
被害者は麻薬取引の疑惑を持たれていたが、その右手にはなぜか1円硬貨と50円硬貨が
握られていた…。
小笠原諸島から初めて都会に出てきた純朴で愛すべき天地龍之介は、数々の奇妙な事件
に遭遇する。
料理コンテストや国際線の機上、はたまたフィリピンの田舎町で…。
学究一筋の青春を送ってきた龍之介が、科学者並みの頭脳とちょっとズレた感性で事件の
謎に挑戦する。
果たしてIQ190の天才推理は。
<感想> 主人公の天地龍之介のイメージとしては、東野圭吾のガリレオシリーズの湯川学。
彼の傲慢さをなくして、年齢を若くして、世間の常識に疎くした感じでしょうか。
設定もかなり変わっていて、小笠原諸島の小島で祖父の天地徳次郎博士と二人暮らししていて、徳次郎が死んだことにより、徳次郎の遺言で旧友の中畑保にお世話になるように言われたので、訪ねたら行方が分からないので、しばらく従兄弟の光章にお世話になるという・・・
何が変わってるの?と思うでしょう?
実は天地龍之介は28歳なんです!だったら自分で生活できるやろう!
今まで働いてなかったのか?とツッコみどころ満載の設定です。
そんな彼のIQは190の超超超天才です。
中畑保を探すという大命題のもと龍之介の頭脳を駆使して様々な難事件を解決していくという連作短編集です。
あとがきによると、文豪・芥川龍之介の養父は道章(みちあき)というそうで、それをもじって天地龍之介の従兄弟を光章(みつあき)にしているそうです。
個人的にはストーリーよりも雑学をたくさん仕入れた作品です。
◆双子素数
281 と 283、149 と 151 のように差が2しかない素数の並びのこと。
◆ポパイの年齢は34歳
◆ラストイン・ファーストアウト現象
砂糖樽(シュガー・キャスク)とは、酒樽みたいな容器に砂糖を溜めておき、容器の底の穴から
コーヒーなどに砂糖を直接入れる装置のこと。
この容器の最上部にある砂糖は普通なら最後まで流れないと思うが、実は結構早い段階で流れて
コーヒーに入れられてしまうような現象のことを言う。イメージは蟻地獄みたい。
◆ダイヤモンドはX線を透さない。
◆音の伝播速度は空気よりも水の方が速く更に金属の方が速い。
空気:340m/s、水:1,500m/s、金属:5,000m/s
などなど・・・結局のところ、フィリピンまで行ったのに中畑さんには出会えなかったので、まだまだ続くシリーズのようです。
【柄刀一 読了リスト】
3000年の密室
ifの迷宮 アリア系銀河鉄道 三月宇佐見のお茶の会シリーズ1
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