本日、読了。

島田荘司では31冊目。
御手洗シリーズの8作目。
<あらすじ> 御手洗潔が日本を去って一年半、横浜馬車道に住む御手洗
の友人で推理作家の石岡のもとに、二宮佳世という若い女性
が訪れ、「悪霊祓いに岡山県の山奥に一緒に行ってほしい」
と言う。
なんとその理由は、大きな樹の根もとに埋められた人間の
手首を掘り出すためだった…。
三月末、石岡と佳世は、霊の導くままに、姫新線の寂しい
駅に降り、山中に分け入り、龍臥亭という奇怪な旅館にたどり
着いた。
これが、身の毛もよだつ、おぞましい、不可解な大量連続
殺人事件に遭遇する幕開きだった。
<感想> ここ最近の御手洗潔シリーズの通り、本筋の事件とは別に昔話
のような長編物語が含まれています。
龍臥亭で起こる連続殺人が小出しで、しかも複雑で多すぎる
ので正直なところ、上巻は疑問が膨れるばかりでダルいです。
ただこの連続殺人が戦前に起きた『津山事件』という実際の
殺戮事件をモデルにして、犯人も同じ『都井睦雄』が登場し、
200ページにも及ぶ彼の誕生から事件までのストーリーが生生しく、
読み応えがあります。
はっきり言って本筋よりも都井睦雄物語のほうが完成度が高い
です。
本筋のトリックよりも驚いたのが、御手洗潔シリーズといいながらも、彼が登場するのが電報と手紙だけで、助手の石岡が事件を解決してしまったことです。
更にビックリしたのが、都井睦雄の血を引く『ミチ』という女性が、なんと加納通子、つまり別シリーズの主人公・吉敷竹史刑事の元妻です。
最後の最後でこれが明かされたので、結局は犯人は誰やったっけ?と忘れてしまいそうになってしまいました。
【
島田荘司 読了リスト1】
【島田荘司 読了リスト2】
水晶のピラミッド 御手洗シリーズ5
飛鳥のガラスの靴 吉敷竹史シリーズ13
眩暈 御手洗シリーズ6
アトポス 御手洗シリーズ7
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