本日、読了。

山本一力では5冊目。
<あらすじ> 深川の老舗大店・桔梗屋のあるじ太兵衛と賭場の貸元・
霊巌寺の猪之吉は筆道稽古場で偶然に出会う。
ひとの目利きに厳しい太兵衛は、猪之吉の人柄を感じ取り、
一献お付き合い願いたいと申し出た。大店のあるじと貸元の、
肚をわった五分の付き合いが始まった。
そんなある日、油問屋・鎌倉屋鉦左衛門による桔梗屋の
乗っ取りの企みが明らかになる。
重い病を患う太兵衛は、桔梗屋の後見を猪之吉に託し、
息を引き取る。やがて桔梗屋をめぐり、鎌倉屋の意を受けた
乗っ取り屋・治作一味と、猪之吉一党との知力と死力を尽くした
闘いが始まる。
<感想> 今回は 『老舗大店のあるじ』 と 『賭場の貸元』 という住む世界が違う男の友情の物語です。
◆金があれば何でも叶うと思っている成金の油問屋・鎌倉屋鉦左衛門
◆脅かせば自分の意のままになると思っている騙り屋・治作
◆ひとの目利きに厳しく、奉公人を大切にする桔梗屋太兵衛
◆渡世人らしく強面で恐ろしいが人を惹き付ける魅力の貸元・猪之吉
とタイプは違いますが、それぞれが 『あるじ』 『かしら』 と人の上に立っています。
騙り屋(乗っ取り屋) VS 渡世人 なんで騙し騙され熱い攻防がありますが、お互いの一派の大きな違いは 『かしら』 の人徳です。
象徴的なのが桔梗屋の頭取番頭の誠之助が 「かどわかし」 にあってどんなに痛めつけられても、太兵衛や猪之吉に絶対的な信頼を持っているので、桔梗屋の内情を白状しなかったがために、騙り屋の治作が悔しがっていたところです。羨ましがっていたようにも思えます。
◎誠之助が猪之吉が後見をするなら、辞めるといったときの猪之吉の熱い言葉
◎桔梗屋・内儀のしずが 「かどわかし」 にあった誠之助を助けて欲しいために言った大切に思う言葉
・・・電車内で読んでてもちょっとウルウルしてしまいます。
これも映像化して欲しいなぁ。またもや勝手にキャスティングすると
桔梗屋太兵衛は、西田敏行
貸元・猪之吉は、渡辺謙
騙り屋・治作は、笹野高史
でいかがでしょう。
【山本一力 読了リスト】
かんじき飛脚 だいこん あかね空 第126回直木賞
深川駕籠 深川駕籠シリーズ1
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