本日、読了。

中村彰彦では1冊目。
第111回直木賞。
3月の徳島旅行で
ドイツ館・バルトの庭 に行って興味が湧いたので読んでみました。
内容としては3つの短編集で
板東俘虜収容所 の話は
二つの山河 だけで後はまったく違います。
◆二つの山河 <あらすじ> 青島での戦い後、捕虜となったドイツ人が収容されて人道的な対応をした
「板東俘虜収容所」所長の松江豊寿の生涯。
<感 想> 小説というよりも、松江豊寿の生涯を語っているだけ、みたいな感じです。
松江は会津藩士として幕末の不遇を過ごしたことで、逆の立場になった
ドイツ人に対して、自分たちがされたような思いを味わさせないようにしたと
いうバックグラウンドがあります。
所長就任前、退任後の彼の人生も描かれているところが興味深いです。
でも個人的には脚色してでも収容所生活の紆余曲折があるような内容を
期待していましたが・・・。
◆臥牛城の虜 <あらすじ> 幕末の結城藩(茨城県)で起きた佐幕派の頼りない藩主と勤皇派の家老の実際に起きた戦い。
<感 想> こんな史実があったことや、結城藩なんてあることも知りませんでしたが、意外とおもしろかったです。
頼りない藩主(勝知)が悪い家老(水野甚四郎)に踊らされて佐幕派になってしまったことで、時代と
逆行してしまって、藩存続のために奔走する家老(小場兵馬)が最後までカッコイイです。
◆甘利源治の潜入 <あらすじ> 会津藩の密偵として採用された原宗四郎こと甘利源治が薩摩藩邸に潜入する浪人の哀しい人生。
<感 想> こういうキャラクターはやっぱり最後はこうなってしまうのかぁって感じです。
もうひとつドンデン返しみたいなのが欲しかったかな。