本日、読了。

北森鴻では5冊目。
香菜里屋シリーズでは1作目。
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞。
<あらすじ>三軒茶屋にある気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤哲也が、常連客の謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。
『花の下にて春死なむ』
自由律句の会・「紫雲律」のメンバーの老人・片岡草魚がひっそりと死んだ。 フリーライターの飯島七緒は彼の遺骨からビスを見付けたが、彼の本名も本籍地もわからない。香菜里屋の工藤が覚えていた草魚の「チシャもみ」という言葉をヒントに山口県長府に向かう。
『家族写真』
徹夜明けのサラリーマン野田克弥が、香菜里屋の常連客たちが赤坂見附駅にある貸出本に挟まれていた家族写真について推理を始める。実は野田にとってその写真は・・・
『終の棲み家』
カメラマンの妻木信彦の個展の町中のポスターが一斉にはがされた。その理由は彼の出世作『終の棲み家』に関係している。
『殺人者の赤い手』
派遣プログラマーの笹口ひずるは、香菜里屋の前で警察官に職務質問される。それは、小学生の間で流行っている“赤い手の魔人”という都市伝説に関係していた。
『七皿は多すぎる』
常連の東山朋生が、毎日、回転寿司屋でマグロばかりを食べる男の話を始め香菜里屋の常連客たちで推理を始める。
『魚の交わり』
『花の下にて春死なむ』の続編で、片岡草魚の鎌倉での隠された生活とは?
<感想> あぁ~白い縦長の等身大の提灯に気持ちの良い伸びのある文字で店名の書いてある三軒茶屋の「香菜里屋(かなりや)」に行きた~い!
そして、マスターの工藤哲也と話しがした~い!
更に彼の作った、サニーレタスとムール貝を酢みそ和え、三年もののホタテの小鍋、ジャーマンポテトグラタン、合鴨の吸い物などなどなどなど挙げたらキリのない料理が食べた~い!
って、読了後、誰もが思うはずです。
でも、三軒茶屋には香菜里屋ってお店もモデルになったお店もないんですって。
しかも、この連作短編集の主人公は工藤哲也じゃないんです。
香菜里屋の常連客が毎回主役になって、彼(彼女)目線で話が進みます。
工藤はお客さんの話を聞いて、推理していく安楽椅子探偵なんです。
そして他の常連客もどの話にも登場して、一緒にガヤガヤするのが楽しくて!
『花の下にて春死なむ』 と 『魚の交わり』 のセットで切なく面白いのはもちろんですけど、『終の棲み家』 がお気に入りですね。
ちなみにこれには「茄子の辛子漬け」が登場します。ウマそー!
【北森鴻 読了リスト】
狂乱廿四孝
第6回鮎川哲也賞
狐罠
冬狐堂(宇佐見陶子)シリーズ1
凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉
蓮丈那智シリーズ1
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉
蓮丈那智シリーズ2