本日、読了。

生島治郎では4冊目。
黄土シリーズでは2作目。
<あらすじ> 第二次世界大戦前の中国において政権奪取に向け対立する
共産党と国民党。
その狭間で利権保持の為に暗躍する列強各国。
街には阿片中毒者が溢れ、その阿片で闇を牛耳る秘密結社・
青幇(チンパン)―。
この混沌の魔都・上海に紅真吾が再び姿を現した。
かつて一攫千金を目論み、大陸浪人たちを率いて揚子江をさか
のぼった紅は、多くの仲間と大金を失い地下に逃げ隠れた。
その紅が、5年の時を経て現れたのは、友人の葉村が阿片に
溺れ失踪したからだ。
敵対しながらも生死を共にした葉村を捜し出すことは、紅に
とっても己の存在を確認することなのだった…。
緊迫した時代背景を舞台に、男の生き様を懸けた旅が今始まる。
<感想> 黄土の奔流
から5年後のお話です。
といっても、私も
黄土の奔流
を読んでから5年以上になるので、ちょうど物語と同じような時間が経ってしまっています。
ちなみに、黄土の奔流 はこんなお話・・・
第一次世界大戦が終わった中国で主人公・紅真吾が、ひと儲けするために、歯ブラシ用に豚の毛を仕入れに仲間達と揚子江をさかのぼり、盗賊などと戦う、といった内容で細かいことは覚えてませんけど、メチャクチャ面白かったことだけは印象に残っていました。
で、
夢なきものの掟
ですけど、
日々の生活に困るぐらい落ちぶれた主人公の紅真吾が、「かつての相棒・葉宗明が行方不明になり、アヘン中毒になっているかもしれないので探しだして中毒から助けたい」と、これがストーリーの主題?弱くない?って思いながらも、紅真吾の中国の犯罪組織の青幇(チンパン)や日本の特務機関に対しての凄すぎる交渉力というかハッタリと強者が登場するたびにコテンパンにやっつけてしまう完全無欠のヒーローぶりには楽しませてもらえます。
中盤になってようやく、青幇も特務機関も滅ぼして、中国人のために中国を取り戻すというホントの目的がわかったので、ウヤムヤがなくなり、紅真吾は上海生まれの日本人、葉宗明は日本名を葉村宗明といいハーフで微妙な立場の二人が誰にも縛られることなく、自分のルール(掟)で列強国が入り乱れる上海で生き抜いていくという 『夢なきものの掟』 という題名に、読了後なって納得できました。
シリーズとしては、
総統奪取
・
上海カサブランカ
と続きます。
【生島治郎 読了リスト】
黄土の奔流
黄土シリーズ1
追いつめる
志田司郎シリーズ1
あの墓を掘れ
志田司郎シリーズ2