本日、読了。

新田次郎では1冊目。
<あらすじ> 明治元年、宮城県石巻町に生まれた安田恭輔は15歳で両親を
失い、5人の兄弟とも離れることに。
外国航路の見習い船員となり、やがてアラスカのポイントバロー
に留まった彼はエスキモーの女性・ネビロと結婚してアラスカ社会
に融けこんでいく。
食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエスキモーの一族を
救出して、アラスカのモーゼと仰がれ、90歳で生涯を閉じるまで
日本に帰ることのなかったフランク安田の波瀾の生涯。
<感想> フランク安田って知ってますか?
アラスカで一番有名な日本人だそうです。
随分前に放送されたABC朝日放送の
ビーバップ!ハイヒール の人気企画の
『まだまだ日本人が知らない!【世界から愛されるニッポン人】』 で紹介されて、運よくブックオフの100円コーナーにあったので読んでみました。
物語はメチャクチャ壮大で、信じられないような事が起きたり、歩いて長距離を移動したりするんですが、でもこれは史実なんです!普通の人の人生なんです!
しかも脚色しまくりかと思ったら、日記・メモ・口承が残っているので、まんざら嘘でもないみたいで、これまたビックリ!
歩く距離がハンパなく
①米国沿岸警備船が氷原に閉じ込められたので、助けを求めるためにエスキモーの住むポイントバローまで、150マイル(241km)。
(ちなみに新幹線だと東京から静岡県の掛川の少し向こうまで)
しかも独りで、吹雪に何日も閉じ込められたりして、少ない食糧を持って。
②白人の乱獲で鯨が捕れなくなったので、新天地を求めて、ポイントバローからビーバーまで、直線距離だと670km。
しかもブルックス山脈を越えます。もちろん歩いてですよ。
(ちなみに新幹線だと東京から兵庫県の相生の少し向こうまで)
おそらく地図だとこんな位置関係かと。

出来事が多過ぎてまとまらないので、箇条書きにすると
◆エスキモーの奇妙な文化(奥さんを夜の相手に貸すなど)
◆海岸エスキモーと内陸エスキモーがいること
◆白人の有色人種に対する差別
◆白人の鯨などの乱獲
◆アラスカのゴールドラッシュ
◆インディアンとエスキモーの関係
◆移住したビーバー村を造ったのはフランク安田だということ
◆フランク安田以外にも2人日本人のジョージ大島・ジェームス・ミナノがいたこと
◆第二次世界大戦でのフランク安田も強制収容所にいたこと
まだまだあります。
こんなテンコ盛りの物語を、1977年に主演:北大路欣也で映画化されているそうですが、2時間ぐらいでまとめるのは不可能なので、あんまり観たくないような。
どうせなら、NHKに
坂の上の雲
のようにじっくり仕上げて欲しいですね。
無理なら
ジョバンニの島
のようにアニメでもいいですけど。
あとがきの『アラスカ取材紀行』もなかなか読みごたえがあって、アラスカまでは難しそうなので、せめて石巻に行ってフランク安田に会ってみたいですね。
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