本日、読了。

黒川博行では6冊目。
大阪府警捜査一課シリーズでは5作目。
<あらすじ> 頭部は腐乱、脚部はミイラ化、大阪東南部の橋梁工事現場で奇妙な
バラバラ死体が発見された。
“ブンと総長”でおなじみ、大阪府警捜査一課のブンこと文田巡査部長、
総長こと総田部長刑事に、京都人のエリート青年刑事・五十嵐も加わって
事件を追う。
でも、コッテコテの大阪人のブンは京都風を吹かせる五十嵐と合わない。
そこへ、大阪北部で心中事件が発生。
現場にはバラバラ事件の切抜き記事が――。
二つの事件は妙な所でつながりブンは振り回される。
<感想> 先日の『破門』で第151回直木三十五賞を受賞したときのニュースを見て、黒川博行は羽曳野(ちなみにダルビッシュの地元)に住んでるんやぁ、どおりでマニアックな地名がやたら出てくるなぁって思ってました。
で、今回の事件発生場所は羽曳野!
しかもバラバラ死体で頭は腐乱して脚はミイラ化!
例によって、ブンと総長 が属する深町班が担当。
今回は 機動隊出身の 京都人の五十嵐刑事が加わることに。
舞台は建築業界。
こういう世界はセンスがあればいいんだろうと思っていたら、ホントかどうかはわかりませんが、シンボリックな建物は東大卒の建築家が牛耳っているそうです。
海の稜線 のときには、東京人のキャリアの萩原、今度は京都人。
大阪 vs 京都 は 大阪 vs 東京 と同じくよく話題になることで京都人の見下す態度と自慢話が鼻に付くのは大阪人としてメチャクチャ同意です!
さてさて、事件ですけど2つの殺人事件が関係ありそうで、関係ない。
刑事たちの努力で周囲の状況はジワジワ埋まるんですけど、結ばれない。
読んでいる私も、これは迷宮入りか?ともどかしく思っていたら、ブンと五十嵐が2つを結ぶ証拠(雑誌)を発見!
コレには一緒に喜んでしまいました。ココから怒涛の攻めに転じて面白さが増幅していきます。
それと、このシリーズになくてはならないブンと母親の仲のいい関係。
酒盛りしたり、花札したりしているときの会話。
これがナント、誰も解けない最後の密室の謎を母親が解いてしまうという離れ業!
そして、とうとう、ブンと総長の娘の伶子が結婚することになるんですが、当初は新婚夫婦はマンションに住む予定だったのに、最後には、伶子から母親と同居したい、と言い出したのが、いかにも、ブンと総長シリーズらしい結末になっています。
【黒川博行 読了リスト】
二度のお別れ
大阪府警捜査一課(黒マメ)シリーズ1
第1回サントリーミステリー大賞 佳作
雨に殺せば
大阪府警捜査一課(黒マメ)シリーズ2
第2回サントリーミステリー大賞 佳作
キャッツアイころがった
第4回サントリーミステリー大賞
八号古墳に消えて 大阪府警捜査一課(黒マメ)シリーズ3
海の稜線 大阪府警捜査一課(ブンと総長)シリーズ4
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