本日、読了。

谷甲州では1冊目。
第9回日本冒険小説協会大賞 日本軍大賞二位
<あらすじ> 失敗したヒマラヤ遠征から帰国した登山家・滝沢育夫は、得体
の知れない男からマナスル登頂を目指す登山隊の隊長になって
ほしいと依頼を受けた。
素性の判らない人間と組む気はない、と断わる滝沢をその男は
脅迫し、彼に無理矢理隊長を引き受けさせてしまう。
やがてネパールのカトマンドゥを出発した登山隊だったが、
その一隊はどこか不自然だった。じつは彼らは登山隊に偽装した
チベット・ゲリラの一部隊だったのだ。しかも荷物の中には銃
まで隠し持っていた。
彼らの目的地がマナスルでないことは明らかだった。
彼らの目的とは?
<感想> ネパールってどこにあるか知ってます?
インドの北西がパキスタン、東がバングラデシュ、北東がネパールです。そして、ネパールの向こうに中国のチベット自治区があります。
ということは、インドと中国は領土問題で仲が悪い(中国はいろんな国と領土でもめてますが・・・)ので間に挟まれているネパールは、大国のどっちにもつくことができず、また山を越えたチベットには中国に抵抗するゲリラだらけと、そんな山岳地帯が舞台になっています。
山好きの男たちが困難を乗り越えて、前人未踏のルートから登頂してヤッホー!って叫ぶ話かと思いきや、脅かされて登山素人のゲリラ達を率いて難関山岳ルートからネパールから中国へ渡ることになる登攀シーンはリアリティがあり、かなりの迫力です。
これだけでも充分ですけど、中国軍・ネパール軍・ゲリラ達の紛争に巻き込まれて逃げ惑うシーンで更に盛り上がりまくります。
謎(オチ)を聞いた主人公の滝沢が笑い続けますが、まさにその通りで、読んでる私も「なんじゃそりゃ!」って感じです。
でも何の資源もない小国のネパールが生き残る手段なら仕方がないんですかねぇ。
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