おさとうのタナボタ

自転車を中心にしたブログにするつもりが、食べものネタがメインになってしまいました。
おさとうのタナボタ TOP  >  篠田節子

神鳥[イビス](篠田節子)

本日、読了。

篠田節子では8冊目。


 <あらすじ>

  27歳で謎の死を遂げた明治の日本画家・河野珠枝の『朱鷺飛来図』。

  彼女が死の直前に描いたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた
 女性イラストレーター・谷口葉子とバイオレンス作家・美鈴慶一郎の
 男女コンビ。
  実は、この絵をよく見ると美しさの中に恐怖の構図が仕組まれていた。
 この画に隠された謎を探りだそうと河野珠枝の足跡を追って佐渡へ、
 そして奥多摩へ。
  その奥多摩の山中で二人が遭遇したのは時空を超えた異形の恐怖
 世界だった。


<感想>

 朱鷺と牡丹を描いた「朱鷺飛来図」の描写から物語は始まるので、この女性日本画家の波乱万丈の生涯を描いたストーリーかと思ったら・・・

 季節によって美しさの変わる朱鷺と牡丹が咲くことは同じ季節には存在することはなく、しかもリアリズム画家の彼女が幻想的な絵を描くなんておかしい・・・

 なんかオモシロくなってきます。そして、

 この絵をよくよく見ると目の錯覚によって見えるのは、なんと巨大な朱鷺が人を襲って食べている地獄絵図!

 キャッー!美しさもグロテスクも目に浮かんでしまいました。

 さてこの絵は何か?現実か?どこにあるのか?と葉子と慶一郎は旅をして恐ろしい事実を知ってしまうわけですが、無事帰ることができた二人同様、私も読了後は夢に出てきそうでした。

 とはいっても、見た目は悪く不潔な美鈴慶一郎が、婚期を逃し実家で弟夫婦と同居して肩身の狭い葉子に対して軽い下ネタでアプローチしている場面や、彼を仕方なく実家に連れてきたときの彼女の家族が「彼氏を連れてきたぁ!」と勘違いしたときの対応は、はぐれ刑事純情派の安浦刑事の家での連れ子の二人の娘との会話のようで、怖く重くなりがちな題材を緩急の効いた作品に仕上げています。
 

【篠田節子 読了リスト】
 贋作師
 聖域
 夏の災厄
 ゴサインタン―神の座          第10回山本周五郎賞
 絹の変容                  第3回小説すばる新人賞
 ブルー・ハネムーン
 アクアリウム
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[ 2014/02/18 21:00 ] 篠田節子 | TB(0) | CM(0)

アクアリウム(篠田節子)

本日、読了。

篠田節子では7冊目。


 <あらすじ>

  遭難したダイビング仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った
 長谷川正人は複雑に枝分かれした水中洞窟に迷い込む。
  命綱は切れて酸素の残りもわずか。死を覚悟した正人を出口へ
 と導いたのは、直接頭に入り込んできた“彼女”だった。
  体の奥に響く衝撃とともに浮かぶイメージ。
  あれは一体何だったのか。
  正体を明らかにしようと再び正人はその地へと向かう―。


<感想>
 
 『アクアリウム』 なんで家の水槽で熱帯魚を楽しんで、碧い海に潜ってトレンディドラマのような生活を送るのかと思ったら舞台は、誰も潜らない奥多摩の地底湖。
 しかもそこに居るのは得たいの知れない全長3メートルの半透明の巨大魚(つけた名前はイクティ)。これだとホラー?SF?ファンタジー?と疑ってしまいます。

 そして、そこで行方不明になった友人の純一を潜って探すわけですが、死体を発見してしまい、無事警察に死体を引き渡すので、目的達成で物語終了!と思いきや、次は、イクティの生息する地底湖を守るために奥多摩の環境破壊の原因となっているトンネル工事の反対グループに属してしまいます。

 ここからは、社会派?となり、話が変な方向に向かっていきます。
 実は、そのグループリーダーは政界に進出することが目的で、環境のことは何も考えずに派手なパフォーマンスだけが目的だということがわかり、何も進まないことがわかってしまいます。

 そして、正人が選んだ奥多摩の環境も守るための最終手段が、『トンネル爆破』 となんだか『アクアリウム』とはだいぶかけ離れた方向に行って、『ひとりテロ』なってしまっています。

 ですから、水中生物の話よりも、環境保護団体の裏のあり得るストーリーとして読むとなかなか興味深く、世の中はキレイごとばかりじゃないんだぁ、という現実にちょっと失望してしまいます。
 また、手軽に手に入る材料だけで爆弾が出来てしまうのにもちょっと驚きです。

 まだ7冊しか篠田節子を読んでませんが、彼女のジャンルの広さを感じる1冊になりました。


【篠田節子 読了リスト】
 贋作師
 聖域
 夏の災厄
 ゴサインタン―神の座          第10回山本周五郎賞
 絹の変容                  第3回小説すばる新人賞
 ブルー・ハネムーン
[ 2013/12/10 21:00 ] 篠田節子 | TB(0) | CM(4)

ブルー・ハネムーン(篠田節子)

本日、読了。

篠田節子では6冊目。


 <あらすじ>

  小麦色の肌、スラリとした長身、大きなバストを誇る野性的美人
 の姉小路久美子の職業は結婚詐欺師。
  美貌と抜群のプロポーションに目がくらんだカモから合法的に
 金を巻き上げていく。
  やり手の証券マンを手玉に取り、そして次はシステムエンジニア
 をターゲットにする。そこで出会った美青年・関畑がコンピューター
 会社の御曹司だと知ると、お屋敷を一軒借りて三千万円奪取の
 ための大がかりな罠を仕掛け、今度も大成功!のはずだったの
 だが…。


<感想>
 
 今まで読んだ篠田節子の作品とはちょっと違って、軽~い結婚詐欺師の話です。
 
 クロサギ・アカサギ・シロサギのように詐欺師が詐欺師をだますのであれば、互いに騙したり騙されたり、ワザと騙されたり、押して引いて、押されて引かれて、そして最後は読者まで騙してドーン!と思わせるような展開を期待していたのですが、ちょっと中途半端でしたね。
 
 前半は一方的に保険金詐欺を仕掛け、後半は一方的に海外で保険金詐欺に引っ掛かりかけるという二部構成もハラハラドキドキ感もそれほどなく、ドタバタ喜劇のようだったのでもう少し 『騙し』 に踏み込んで欲しい作品でした。

【篠田節子 読了リスト】
 贋作師
 聖域
 夏の災厄
 ゴサインタン―神の座          第10回山本周五郎賞
 絹の変容                  第3回小説すばる新人賞
[ 2013/09/18 21:00 ] 篠田節子 | TB(0) | CM(0)

絹の変容(篠田節子)

本日、読了。

篠田節子では5冊目。

第3回小説すばる新人賞


 <あらすじ>

   祖母の形見だというレーザーディスクのように虹色に輝く
  絹の妖しい光沢にとりつかれた青年・長谷康貴は、その美しい
  絹を作りだすために、ハイテク技術で研究員・有田芳乃とともに
  野生の蚕の繁殖を試みる。
   その絹で織り上げた着物を着たモデルはショーの最中に謎の
  死を遂げる。
   更に、逃げ出した巨大肉食蚕が街や人を襲いだしパニックに
  陥いってしまう。


<感想>

 読み始めたときには、八王子で織物屋をしていたが繊維不況ともに父親が包帯屋に鞍替えした家の二代目バカ息子・長谷康貴が虹色に輝く絹に出会ったことによりいろんな壁を乗り越えて、その絹を完成させ実家を昔のような立派な織物屋へと復活させるサクセスストーリーかと思いきや・・・とんでもなく怖くおぞましいパニック・ストーリーでした。

 人為的に改良された15cmの巨大肉食蚕が森や街・河川敷で繁殖して蠢いている表現が目に浮かぶようで、めちゃくちゃ気持ち悪く、映像化や漫画になっていなくても文章だけでもグロテスクです。
 例えるなら、風の谷のナウシカのオームが15cmサイズになって、あの大群が人間を襲っている光景を思い浮かべてください。

 文庫で200ページとボリューム少なめですが、恐怖感はたっぷりです。
 有り得ない話ではないよなぁ、って思ってしまいますので、是非どうぞ。


【篠田節子 読了リスト】
 贋作師
 聖域
 夏の災厄
 ゴサインタン―神の座          第10回山本周五郎賞
[ 2013/05/08 21:00 ] 篠田節子 | TB(0) | CM(2)
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