本日、読了。

東野圭吾では27冊目。
○笑小説シリーズでは1作目。
<あらすじ> ちょっとブラックで、怖くて、何ともおかしい人間たちの多彩な
味つけの9編。
◆鬱積電車 もしも、夜の電車の乗客の心の叫びが聞こえたら・・・
◆おっかけバアさん もしも、年金暮らしの老女が芸能人の"おっかけ"にハマったら…
◆一徹おやじ もしも、『巨人の星』の星一徹がいたら・・・
◆逆転同窓会 もしも、教師主催の同窓会が開かれたら・・・
◆超たぬき理論 もしも、UFOの正体が文福茶釜のタヌキだったら・・・
◆無人島大相撲中継 もしも、すべての相撲の実況中継の内容を覚えている人間がいたら・・・
◆しかばね台分譲住宅 もしも、分譲住宅地で死体が見付かったら・・・
◆あるジーサンに線香を もしも、独り暮らしの老人が若返る実験を受けたら・・・
◆動物家族 もしも、周りの人間たちが動物に見えたら・・・
<感想> 『世にも奇妙な物語』でドラマ化されそうな短編集で東野圭吾もこんなもの書くんだぁって感じです。
『鬱積電車』は誰もが心の中で思っているような「あるある」話なんですが、私の場合だと、例えば、座席が全部埋まっていて、私は6人席の真ん中に座っています。そこに、一人乗ってきて立つことになります。
空いている車内なら普通はドア横か座席の端に座っている人の前に立つと思うのですが、なぜか座席の中央に座っているはずの私の前に立つ人が多いんです。
「すぐに降りるように見えるのか?」
「前に立ってたら親切に席を譲ってくれるとでも思っているのか?」
「前に立たれると足を楽にしたいときに伸ばせへんやんかぁ!」
って心の中で叫んでますね。
どれも楽しく読めるんですが、でもいちばん興味深かったのが、東野圭吾の「あとがき」で、各作品の 思いついたきっかけ や 元になった実話 について詳しく説明してくれています。
なかでも『鬱積電車』について自身の通学路線について書かれています。
・近鉄電車で布施駅から鶴橋まで行って、環状線で天王寺まで行く。
・地下鉄で通うようになってからは、始発駅まで徒歩15分。
・大阪を離れてから、家から30秒のところに駅ができた。
更に、大阪市立小路小学校出身ということなので、地図を眺めてみると、
徒歩15分の駅は昔は始発駅だった千日前線「新深江」駅で
家から徒歩30秒の駅は「小路」駅なので、かなり絞られた範囲に実家がある(あった)のかぁ、と推理作家の実家を推理してみました。
短編はそんなに好きじゃないですけど、こんな感じなら
毒笑小説
・
黒笑小説
・
歪笑小説
と続くシリーズも楽しみになります。
【
東野圭吾 読了リスト1】
【東野圭吾 読了リスト2】
ウインクで乾杯