本日、読了。

小杉健治では7冊目。
文庫化で「越後出雲崎の女」から改題。
<あらすじ> 現職の判事・寺沢信秀が、担当中の被告人の妻・岩田歌江の
殺人容疑で逮捕された。寺沢は歌江が殺害される直前、一緒に
いるところを目撃されていた。
だが、犯行時間には行きずりの赤いコートの女とホテルに
いたのだった。無実を主張するが、目撃者の証言は寺沢に不利
であった。
寺沢を慕う義妹・杉原早紀子は、消えた謎の女を求めて越後
出雲崎に旅立ち冤罪事件に挑む。
<感想> 「越後出雲崎の女」という題名だと時刻表トリックっぽいですが、実は、法廷モノで現職の判事の寺沢が殺人容疑で逮捕され、被告として裁判を受けてしまいます。
しかも、この寺沢がイメージ通りの判事で、融通が効かなくて堅物なんですよ。
でもこの性格のおかげで、あっという間に小杉健治ワールドに惹きこまれてしまいます。
なにしろ犯行時間に自分と一緒にいた謎の女が法廷でアリバイを証言しているのに「ホテルに一緒に行った女性は、この女性ではありません!」って自分にとって不利な発言をしてしまうんです。
更に、被告なのに裁判官のように証人尋問までしてしまいます。
そこから意外や意外な展開で真実にたどりつくことができ、小杉健治らしいオモシロい作品になっています。
ちなみに裁判官を罷免するかどうかを弾劾裁判って言うんですよ。
中学のときに習ったような記憶がありますね。
【小杉健治 読了リスト】
原島弁護士の愛と悲しみ
二重裁判
死者の威嚇
絆
土俵を走る殺意
夏井冬子の先端犯罪