本日、読了。

高橋克彦では5冊目。
第29回江戸川乱歩賞
<あらすじ> 謎の絵師といわれた写楽は、一体何者なのか?大学助手の
津田良平はある肉筆画集を手に入れ写楽の実体探査を行い、
核心に迫ろうとするが連続殺人に巻込まれてしまう。
<感想>北斎といえば葛飾、歌麿といえば喜多川、では写楽といえば?
東洲斎(とうしゅうさい)なんです・・・知りませんでした

しかも10ヶ月しか活動していなくて、忽然と姿を消して正体がわかっておらず、美術史家たちにとっては永遠の謎になっているんですって・・・知りませんでした

前半は、津田良平が古本市で秋田蘭画の肉筆画集を手に入れ、そこに「
東洲斎写楽改近松昌栄」という書き込みを見付けて写楽のルーツを探ります。田沼意次、平賀源内、蔦屋重三郎、秋田藩などその当時の政治的な背景を絡めて東洲斎写楽=近松昌栄を立証していきます。
凄いじゃないかぁ高橋克彦

こんな大発見を小説で発表してもいいのかぁ

と本気で信じてましたが・・・これも創作だそうです

でもそれぐらい説得力があります。
後半は、この説によって金・権力・名誉に目の眩んだ大学教授・研究者・画商が連続殺人事件を起こして通常のミステリー小説になります。
写楽の謎を解く内容だけでも読み応えのある一冊でした。
ちなみに、このシリーズは「北斎殺人事件」、「広重殺人事件」と続きます。
【高橋克彦 読了リスト】
総門谷
第7回吉川英治文学新人賞
総門谷R 阿黒編 総門谷R 鵺(ぬえ)篇 総門谷R 小町変妖篇 総門谷R 白骨篇
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